最近、自分でもびっくりすることがあるんです。
朝起きたら仕事をして、夜寝るまでずっと仕事してる。
「いやー、私、仕事大好きだなあ」「最近すごい仕事してるなあ」って、ちょっと誇らしげな気分にもなったりして。
でも、ふと冷静になって考えてみたんですよね。
「私、実際に手を動かしてること、どれくらいあるんだろう?」
……ほぼ、ないんです。
手を動かしているのは、AIだった
成果はたくさん出ているので、自分がバリバリやっている気になっていたんですが、よくよく振り返ってみると、手を動かしているのは私じゃなくて、AI でした。
では、私が何をしているかというと、こんな感じなんです。
[一日のうち、私が言っていること] 「この先もこの方向でやっていいですか?」 「これらの案のうち、どれがいいですか?」 「はなわさんはどれが好きですか?」 「チェックしてフィードバックください」 [それに対する私の返事] 「うん、いいよ」 「こっちで」 「ここをこう直して」 「もう一案ほしい」
これが、私の仕事になってたんですよね。
気がついて、ちょっと笑っちゃいました。
「あれ、私、何もしてなくない?」と。
でも、これはPMの仕事と一緒だ
でも、よく考えてみたら、これって 会社のプロジェクトマネージャー(PM)の仕事と一緒 だなあって気づいたんです。
PMって、もちろんいろんなことを考えたり、調べたりはします。
でも、メインの仕事は 手を動かすこと じゃない。
意思決定 なんですよね。
- 「この方向で進めよう」
- 「この案を採用しよう」
- 「ここは見送ろう」
そして、その決断に対して 責任を取る。それがPMの本業です。
エンジニア17年とPM経験で、見えた風景
私はもともと、ITエンジニアを17年やっていました。
その中で、エンジニアとして自分の手を動かしていた時期と、PMとしてメンバーをマネジメントしていた時期、その両方を経験しました。
正直に言うと、手を動かしているほうが、仕事してる感はあるんです、やっぱり。
コードを書いて、テストを通して、リリースする。目に見える成果物が、自分の手から生まれていく感覚があります。
一方、PMの仕事は、外から見ると「ただ会議に出て、指示を出しているだけ」に見えなくもない。
でもPMの仕事の本質は、決めること。
[エンジニアの仕事] 要件を聞く ↓ 設計する ↓ コードを書く(手を動かす) ↓ テストして、リリースする ↓ 「やった感」が、はっきりある [PM の仕事] 複数の選択肢を整理する ↓ 方向を決める(決断する) ↓ リソースを配分する ↓ 責任を負う ↓ 「やった感」は、外から見えにくい
決めるって、すごく疲れる
これ、やってみるとわかるんですが、決めるって、すごく疲れます。
しかも、責任もある。
「この方向でいこう」と決めたら、その先で起きることに対して、自分が責任を負う。違う方向に進んでいたら違う結果になっていたかもしれない、その「もしも」も含めて引き受ける。
でも、それが仕事なんです。
これからの時代、人がやることで本当に重要な部分は、
意思決定と責任 なんじゃないか。
そう感じています。
AIが整理しても、最終決定は人がする
もちろん、AIも意思決定を かなり手伝って はくれます。
「こういう選択肢があります」「メリット・デメリットはこうです」って、ちゃんと整理してくれる。これは本当にありがたい。
でも、最終的に 「これでいく」と決めるのは、やっぱり人 なんですよね。
その判断ひとつで、方向性はガラッと変わってきます。
そもそも「何かやろう」と最初に思うのも、人です。
それがなければ、AIは何も動き出しません。
AIがどれだけ優秀になっても、人の知識や考え方、価値観、「自分はどうしたいのか」という意志。ここの部分は、まだまだやることがたくさんあるなと感じています。
むしろ、問われ方が変わってきている
むしろ AIが手を動かしてくれるようになったからこそ、人の問われ方が変わってきている気がします。
[これまで] 「どれだけ手を動かせるか」 「どれだけ知識を持っているか」 「どれだけ早く作業できるか」 ↑ ここが評価軸だった [これから] 「自分は何を選ぶのか」 「何に責任を持つのか」 「どこに価値があると見るのか」 ↑ ここが、より問われる時代に
これは、ある意味、かなりシビアな時代 でもあります。
手を動かすことの上手さでは差がつきにくくなり、判断と責任のところで人の輪郭が出る。逃げ場が少なくなる、とも言えるかもしれません。
「手を動かしてないと不安」を、そろそろ手放してもいい
そして、ここまで読んでくださった方の中には、こう感じる方もいると思うんです。
「AIに任せて、自分が手を動かしてないと、なんだか不安」
その感覚、すごくよくわかります。
私も最初はそうでした。
でも、その不安を、そろそろ手放してもいい のかもしれませんね。
手を動かしている時間の長さで、自分の価値を測らなくていい。
むしろ、空いた時間で「何を選ぶか」「何に責任を持つか」を ちゃんと考える ことの方が、これからは大事になっていくんじゃないかなと思っています。
おわりに
気がついたら、私の仕事は「決めること」になっていました。
それは、AIに手を動かしてもらえるようになったから、ようやく見えてきた風景です。
同じシリーズで、5年寝かせた構想が1週間で形になった話、研修資料を一行も自分で書かない話、AIに任せるところと人がやるところの役割分担も書いています。
「うちの組織でも、意思決定の質を高めたい」「マネジメント層のAI活用を相談したい」というご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。